昔の自分に会いに行く
昨夜の大河ドラマ『光る君へ』のラストシーンで思い出の場所にやって来た主人公のまひろ(のちの紫式部)と藤原道長が、何も語らずにすれ違っていく時に、
「昔の自分に会いに来たのね」
と、まひろが心の中で呟く台詞がとても印象的でした。
時の最高権力者に昇り詰めた道長が、初心を思い出す…或いは確認するために訪れたであろう、二人の思い出の場所での偶然の再会。
昔の自分に会いに行く
それは未練や懐古的な感情ではなく、これから自分が成し遂げようとするものに対しての『原点を確認する行い』なのだと、私には思えました。
何かを成す時には、不安や迷いが押し寄せて来るものですが、原点に立ち戻ることで余計な感情が失せて、進むべき道が鮮明に見えてくるのではないでしょうか。
きっとそこには、日々の生活の中で色褪せた理想や忘れてしまった夢に、再び息吹きを与える力があるのだと思うのです。
事の大小には関係なく、自分が本当に望むものや大切にしたいものには、諦めない力が宿っています。日頃は見失いつつあるその力に火をつけることができるのも、原点である『昔の自分』なのです。
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